花ことば(花言葉)

草花にあてはめられた花ことば(花言葉)のミニ事典

花ことば(花言葉)とは?

花ことばのイメージ

19世紀のイギリス、ヴィクトリア朝時代に流行して広まったと言われている花ことば(花言葉)は、例えばバラの花に「情熱」といった具合に、見た目の印象やその歴史などから草花の種ごとにあてはめられた合言葉のようなものです。古くは直接言葉を交わす代わりに、恋人同士が花束や花飾りを用いて意志を疎通するために花ことばが用いられたと言われています。時代とともに多くの花ことばが消滅し忘れ去られてしまいましたが、現在も世界各国で花ことばが使われています。同じ花でも時代や国によって異なる花ことばが使われていることも多いようです。

ここではいくつかの花ことばを紹介します。大切な人に花束や花飾り、フラワーアレンジメントなどを贈るとき、花ことばを意識して花を選ぶと素敵なプレゼントになります。逆に、中にはネガティブな意味の花ことばを持つ花もありますので、知らずにそのような花をプレゼントしてしまわないように注意しましょう。贈った花の花ことばが原因で友情や恋愛を壊してしまうこともあるかもしれません。

さまざまな花ことば

同じ花にいくつかの花ことばが結び付けられていたり、また花の色によって異なる意味合いの花ことばが付けられている花もあります。以下にさまざまな花の花言葉を紹介します。

コスモス(秋桜)

以前に電話占いコラム「電話占いとコスモスの花」で取り上げたコスモスの花ことばは「乙女の真心」「乙女の愛情」などです。コスモスはキク科の1年草で、メキシコが原産地です。7月~11月頃に花を咲かせることから、アキザクラ(秋桜)と言うこともあります。コスモスの花の色には、赤、ピンク、オレンジ、黄、白などがあります。

主な花ことば

  • 「乙女の真心」
  • 「乙女の愛情」
  • 「調和」

色別の花ことば

  • 「少女の純潔」(ピンクのコスモス)
  • 「美麗」「優美」(赤色のコスモス)

バラ(薔薇)

バラ(薔薇)の花ことばのイメージ

バラの花ことばは「愛」や「恋」に関係するものが多く、男性が愛する女性に贈る代表的な花です。真紅と言える赤色の花と白い花が代表的ですが、ピンク、黄色、オレンジなど様々な色の花が咲き、それぞれの色に異なる花ことばが付けられています。また、最近では品種改良により不可能だと言われていた青色の花を咲かせるバラも登場しました。

主な花ことば

  • 「私はあなたを愛しています」
  • 「愛情」
  • 「気まぐれな美しさ」
  • 「美」

色別の花ことば

  • 「愛情」「情熱」「貞節」(赤色のバラ)
  • 「私を射止めて」(帯紅のバラ)
  • 「嫉妬」「不貞」(黄色のバラ)
  • 「上品」「しとやか」(ピンクのバラ)
  • 「奇跡」「神の祝福」「夢 叶う」(青色のバラ)

その他の花ことば

  • 「愛の告白」(蕾のバラ)
  • 「無意識の美」(ミニバラ)

胡蝶蘭

お店や事務所を開くときなど、ビジネスの世界で良く贈られる花の胡蝶蘭はラン科の花で、学名はファレノプシス。立て札を添えて開店祝いや上場祝いなどで贈られることが多いようで、蝶が舞う姿に喩えられる美しい花の形が魅力的です。この胡蝶蘭の花ことばは、「幸福が飛んでくる」。縁起の良い花ことばがビジネスの世界での贈り物にぴったりです。

主な花ことば

  • 「幸福が飛んでくる」
  • 「あなたを愛します」
  • 「純潔」

チューリップ

和名では鬱金香(うこんこう)と呼ばれるチューリップは、人気の花で品種改良も進み、さまざまな色や形の種があります。色によって異なる花ことばがありますが、どれもポジティブなもので恋愛に関係する言葉が多いようです。

主な花ことば

  • 「希望」「全身」
  • 「神秘」

色別の花ことば

  • 「愛の告白」(赤色のチューリップ)
  • 「新しい恋」「失恋」(白色のチューリップ)
  • 「正直」「実らない恋」「名声」(黄色のチューリップ)
  • 「恋する年頃」「誠実な愛」「愛の芽生え」(ピンクのチューリップ)

カーネーション

世界的に母の日のプレゼントとして一般的なカーネーションは、バラと並んで人気の花の一つで、生花店ではハウス栽培により1年中目にすることができます。黄色のカーネーションの花ことばは「軽蔑」ですので、人に贈る際には注意が必要です。また、白いカーネーションには「亡き母を偲ぶ」という花ことばがあり、存命の母親にプレゼントするには適切ではありません。最近になって、遺伝子組み換えにより青いカーネーションが生み出されました。

主な花ことば

  • 「母の愛」
  • 「愛を信じる」

色別の花ことば

  • 「母への愛」「真実の愛」(赤色のカーネーション)
  • 「欲望」「私の心に悲しみを」(濃い赤色のカーネーション)
  • 「感謝」「感動」「愛の告白」(ピンクのカーネーション)
  • 「尊敬」「亡き母を偲ぶ」「純潔の愛」(白色のカーネーション)
  • 「軽蔑」「侮辱」「嫉妬」「友情」(黄色のカーネーション)
  • 「永遠の幸福」(青色のカーネーション)

ガーベラ

キク科の多年草のガーベラには、ピンク、赤、白、黄色、橙などさまざまな色の花が咲きます。アフリカセンボンヤリという別名がありますが、語感が美しくないためかあまり知られていません。

主な花ことば

  • 「神秘」
  • 「崇高美」

アジサイ(紫陽花)

アジサイ(紫陽花)の花ことばのイメージ

紫陽花は梅雨の季節を代表する花で、多くの日本人から愛されていますが、切り花や贈り物としてはあまり見ない花です。実は紫陽花には毒性があり、誤って口にすると過呼吸、麻痺、痙攣などの症状が現れ、死に至る場合もあるのです。また、なぜかネガティブな意味の花ことばが多く、贈り物には適していないのかもしれません。

主な花ことば

  • 「浮気」「移り気」
  • 「あなたは冷たい」「無情」
  • 「高慢」「自慢家」