霊感占い

巷で人気の霊感占いとは、いったいどういう占いなのでしょうか。

霊感占いとは

さまざまな占術を売りにした電話占いがありますが、最近は霊感占いという占術が人気を博しているようです。霊能者による霊感を用いた占いなのですが、これはいったいどのようなものなのでしょうか。霊感占いという占術を掲げている電話占いの多くでは、あわせて霊視や透視といった占術を掲げていて、所属する占い師のことを霊能者と呼ぶのが一般的です。やや乱暴ですが、電話占いを大きく2つに分類するとすれば、霊能者による霊感占いと、占い師による古典的占い、この二つに区分することができます。

従来の占い師による古典的な占いを提供する電話占いでは、占い師が霊能力を持っているか、占い師が霊能者であるかといったような、占い師の特別な能力については触れていません。一部の電話占いでは「特別な能力」などの表現で、婉曲的に何か常識では考えられない能力を持っていることを示唆していることがありますが、あくまで古典的な占いを提供しているという姿勢は変わりません。

一方、霊感占いを売りにしている電話占いではどうでしょうか。こちらは全く逆で、所属する占い師が全員、何らかの特殊な能力(超能力であったり霊能力であったり)を持っていることをアピールしています。時には占い師という言葉すら消え、代わりに霊能者や霊媒師といった名前で呼ばれるようになります。そしてその霊能者が行う占いがこの霊感占いなのです。

この霊感占い、占術はいたって簡単です。占い師が鑑定を受ける人からの電話を受けた時、頭の中に浮かんだ映像をもとに未来や過去などを伝えるというものです。普通の人の第六感に近いものでしょうか。また、相談を受けるとまた別の映像が浮かび上がります。それを伝え、その解釈からアドバイスをする、そういう占いが霊感占いなのです。

あまりに単純かつ簡単な仕組みの霊感占いですが、簡単であるがゆえに特殊な能力が必要になってきます。その能力こそが霊能力なり超能力といった能力なのです。霊能力を持たない、つまり特殊な能力を持たない普通の占い師がこの占いを行おうとしても全く成り立ちません。声しか聞こえない相手に、何をどうやってアドバイスすれば良いのか、それすらわからないままに途方に暮れてしまうことでしょう。思いつきでアドバイスをしたところで、当の本人にとってみればそれが的外れな内容であることはすぐにわかってしまいます。そんな状態の電話占いはすぐに消えてしまうことでしょう。

つまり、電話占いにおける霊感占いとは、占い師による古典的手法とは異なり、霊能者による尋常ならざる手法による占いです。霊視や透視といった占術も、利用者側から見れば何も変わりません。守護霊の診断ができるかできないか、その程度の違いしかないと考えても問題ないでしょう。簡単であるがゆえに占者の能力が問われる、ごまかしが一切効かない真っ向勝負の占術とも言えるかもしれません。そんな不思議な占術だからこそ、多くの人に支持されているのではないでしょうか。

霊感占いの霊能者たち

最近多くの電話占いがこの霊感占いを提供するようになりましたが、霊能者たちはいったいどこからやってきたのでしょうか。関係者の話によると、ここ最近、電話占い業界に商社などの大手資本が参入してきたため、昔ながらの電話占いが成り立ちにくくなったそうです。具体的には、大手資本の電話占いはポータルサイトなど直結したエンターテイメント要素の強い占いサービスを始めました。そこには不倫や略奪愛といった後ろ暗いキーワードはもう無く、明るく清く楽しい電話占いが始まったのです。

結果として今までテレビの星占いなどをしていた女性までもが電話占いを利用するようになり、電話占いのマーケットは成長したようにも思えました。しかし古くからの電話占い利用者は、入り組んだ男女関係の問題などを相談できる昔ながらの電話占いを求めるようになります。昔ながらの電話占いでは、大抵、霊能者や霊媒師による霊感占いのような占いをする高齢の占い師が、どこの電話占いにも少なからずいたのですが、そういった占い師を求める利用者だけが残りました。

明るく楽しいエンターテイメント性の強い電話占いは大手資本に持って行かれ、霊能者による霊感占いなどの陰の部分が従来の電話占い会社に残る形で、電話占い市場が二分されたのではないかと、インタビューに応じてくれた関係者は話してくれました。占い師の側も同様、霊能力などを強みにする占い師だけが従来の電話占いに残り、若く明るい占いを求める占い師は大手資本へと流れたとのことです。

真実がどうであるのかは私どもも判断できませんが、最近になって霊能者が増えたわけでもなく、霊感占いが増えたわけでもなく、ただ霊感占い以外の占術が一極集中の相を呈してきているのではないかという関係者の推測には、それなりに説得力があるように思えました。電話占いの激動の時代とも言える今は、利用者にとっては選択肢も多く、電話占いを楽しむには良い時代だと思います。