電話占いの電話番号の秘密

フリーダイヤルやナビダイヤルなど、電話占いで使われる特殊な電話番号について解説します。

電話占いで使われる電話番号

電話番号のイメージ

以前、「フリーダイヤルについて」の記事でも触れましたが、最近では電話占いで利用される電話番号にフリーダイヤルなどの特殊な電話番号が用いられることも多くなってきました。しかし、0120で始まる番号がフリーダイヤルで通話料金がかからないということは有名ですが、0800で始まる番号、0077で始まる番号も同じようにフリーダイヤルであることや、ナビダイヤルと呼ばれる0570で始まる番号など、あまり詳しく知られていない電話番号も使われています。これらの電話番号についてその仕組みや通話料金を理解することで、電話占いを利用する際に限らず、日常の通信費をコントロールすることができます。

なお、この記事を執筆するにあたり、電話占い会社の電話回線に詳しい電話工事業者の方に取材を致しました。ご協力ありがとうございました。

着信課金電話番号(フリーダイヤル)

電話をかけても通話料金が発生しない、着信側つまり電話占い会社が通話料金を負担してくれる電話番号のことを正式には着信課金電話番号と言います。NTTコミュニケーションズの着信課金電話番号サービスの名前がフリーダイヤルなのですが、この商品名があまりにも有名なため、絆創膏のことをバンドエイド、ステープラーのことをホチキスと呼ぶのと同様、着信課金電話番号のことを一般的にフリーダイヤルと言うことが多いようです。

通話時間が長くなりがちな電話占いでは、フリーダイヤルが利用できるかどうかは電話占いを選ぶ上で非常に重要な点です。携帯電話から電話占いを30分間利用したとすれば、携帯電話会社や料金プランにもよりますが、通話料金だけで1,000円以上になります。この金額が無料になるわけですから、迷ったらフリーダイヤルが利用できる電話占いを選ぶと良いでしょう。しかし裏を返せば、この通話料金の負担は電話占い会社にとっても痛手となるため、携帯電話からもフリーダイヤルが利用できる電話占いはまだ限られています。また、ホームページや広告にはフリーダイヤルの番号が掲示されているにも関わらず、実際に電話をかけて鑑定を受けようとすると、鑑定の直前になってフリーダイヤルではない別の番号にかけるように言って来る、詐欺まがいの電話占い会社もあるようですのでご注意下さい。

着信課金電話番号の番号と種類

電話番号 事業者 電話番号の説明
0120-00****
   :
0120-89****
NTTコミュニケーションズ いわゆる本家の元祖フリーダイヤルです。
0120-90**** NTTドコモ NTTドコモの携帯電話に着信する着信課金電話番号。サービス名はフリーナンバー。着信はmova端末に限定。2009年3月新規受付終了し、現在は契約不可。2012年3月にサービス終了。
0120-91****
   :
0120-99****
各社 NTT東西、KDDI、ソフトバンクテレコム、UCOM、フュージョンなどの各社が提供する着信課金電話番号。提供する会社によりサービス名は異なる。フリーアクセス、フリーコール、フリーボイスなど。
0800-******* 各社 0120番号の枯渇に伴い、新たに用意された着信課金電話番号。NTTコミュニケーションズも含めた各社が提供。0120よりも桁数が1桁多い。
0077-23******
0077-70**
0077-75***
0077-78****
KDDI KDDIのフリーコールで利用可能な電話番号。総務省の管轄では着信課金電話番号の扱いではなく、事業者識別電話番号(00XY)の扱い。短い桁数があるのが特徴。

番号ポータビリティ制度

基本的には上記の通り番号によって事業者がわかれていますが、番号を変更せずに他社サービスに乗り換えができる番号ポータビリティ制度があるため、電話番号から事業者が確実にわかるというわけではありません。

フリーダイヤルが利用できない電話回線

各社のサービスによって若干の違いがありますが、以下のような電話回線からは着信課金電話番号に電話をかけることができません。

  • 海外(日本国外)からの国際電話
  • 新幹線などの車内にある列車公衆電話
  • 050番号のIP電話
  • 10円硬貨ピンク電話・赤電話
  • (一部の着信課金電話番号についてのみ)衛衛星携帯電話

また、サービスとしては着信課金電話番号を利用できるのですが、契約者が高額な料金を負担することを避けるため、次の例のように特定の回線やエリアからの着信を拒否する契約をしていることがあります。

  • 出前など地域密着型のサービスでは、営業エリア外(県外)からの着信を拒否することがあります。
  • 発信元を特定できない公衆電話からの着信を拒否することがあります。
  • 通話料金が高額になる衛星携帯電話や自動車電話からの着信を拒否することがあります。
  • 通話料金の負担を減らしたいため、固定電話以外(携帯電話など)からの着信を全て拒否することがあります。

最近では減ってきましたが、携帯電話向けに別の電話番号を案内し、固定電話からしか利用できないフリーダイヤルを公開している企業もあります。これは携帯電話からの着信について、固定電話より通話料金が割高であることによる判断です。

かけられない回線からフリーダイヤルの電話番号に電話をすると、「ツーツー」という通話中のような音がしたり、「この回線からはご利用できません。」という案内が流れます。場合によっては、代わりの電話番号が案内されることもあります。

ナビダイヤル

0570で始まる電話番号はナビダイヤルです。ナビダイヤルはNTTコミュニケーションズが提供するサービスで、通話料金が発生します。通話料金がどの程度かかるかが、「この通話は180秒ごとにおよそ8.5円の通話料金でご利用頂けます。」のように音声で案内されるのがナビダイヤルの特徴です。

ナビダイヤルはどちらかと言うと、電話占い会社側の都合で導入される電話番号です。時間帯や発信者側の地域などによって、着信する電話回線を変更したり、同じ番号で2箇所以上の複数の電話番号に着信を割り振ることができるのです。このため、複数の拠点に電話回線を持つ電話占い会社や、昼と夜で受付する場所が異なるような電話占い会社でナビダイヤルを利用しています。また、通常の電話番号では覚えやすい電話番号が取れないような場合に、0570で覚えやすい電話番号をつけることもあるそうです。

ナビダイヤル利用の注意点

ナビダイヤルが利用できない電話回線

PHSや一部のIP電話からは0570で始まるナビダイヤルにかけられません。

ナビダイヤルの通話料金

ナビダイヤルの通話料金は通常の電話の通話料金と大きく違うわけではありませんが、NTTコミュニケーションズの電話網を使用するため、使用する電話回線によっては料金や請求の扱いが異なる場合があるので注意が必要です。

  • KDDIのau携帯電話などでは、無料通話分が余っていてもナビダイヤルへの通話分が利用できません。
  • NTTドコモのプレミアムクラブなどのポイントサービスにおいて、ナビダイヤルへの通話はポイント附与の対象外となることがあります。

無料通話分が適用されると思ってナビダイヤルで通話をしていると、無料通話分が余っていても別会計で通話料金が請求されることがありますので注意が必要です。詳しくはお使いの携帯電話の窓口にお問い合わせ下さい。

また、無料通話分を使いたいという旨を伝えれば、電話占い会社によっては特別に別の電話番号を教えてくれるかもしれません。使いたい電話占い会社が0570で始まるナビダイヤルの番号を使っている場合、電話占い会社に相談してみるのも良いでしょう。

050 IP電話

インターネット回線を利用したIP電話のうち、安価なサービスで利用されるのが050で始まる電話番号です。この番号はどちらかと言うと、通話が切断されたり通話品質が低くても問題のない家庭用での利用が中心ですが、まれに電話占い会社がこの050の番号を受付の番号として利用することがあります。IP電話のうち、通話品質が高いと認められるものには、通常の電話番号(東京の03、大阪の06など)を割り当てることが許可されており、電気通信事業者がその通話品質を保証できないIP電話が050番号になるのです。

コストを削減したい電話占い会社が利用していると思われますが、あまり良い選択とは思えません。鑑定予約の受付や問い合わせであれば、まだ許容範囲と考えられますが、もし占い師との鑑定中も050の番号を使うような電話占いがあるとすれば、音声が途切れたり遅れたりすることが考えられますので、利用は控えたほうが無難かもしれません。