電話占いとコスモス(秋桜)の花

秋を代表する花、コスモス(秋桜)の花と電話占いの意外な関係について考えてみましょう

秋桜(コスモス)の花

コスモス(秋桜)のイメージ

俳句では秋の季語にもなるほどに秋を象徴する花コスモスは、漢字では秋の桜「秋桜」と書き表します。一般的なコスモスの花の色は白と桃色で、濃い赤色のコスモスもみかけることがあります。また最近では品種改良も進み、八重咲きのコスモスや花弁が丸まった品種も登場しているそうです。茶色がかった赤色の花を咲かせ、チョコレートのような香りがするチョコレートコスモスと呼ばれる品種も有名になりました。元来、コスモスは明治時代に日本に持ち込まれたと言われていますが、もともとコスモスはメキシコの高原が原産の植物なのです。

外来種で日本には馴染みの少ないルーツを持つコスモスですが、日本人に人気のある花の一つといえるでしょう。100人の人に「好きな花」を尋ねてみれば、10人以上がコスモスと答えるのではないでしょうか。老若男女を問わずコスモスが人気なのはいったい何故でしょうか。市区町村などの自治体では、「町の花」「区の花」などを決めているところが多くありますが、このコスモスをシンボルとして指定している自治体は数多くあります。東京都西東京市をはじめ、新潟県湯沢町、香川県さぬき市、福岡県久留米市、福岡県飯塚市、名古屋市北区、北海道札幌市南区など、およそ40以上の自治体がコスモスをそのシンボルに指定しているのです。こんな自治体の動向からもコスモスの人気ぶりがうかがえます。

自治体がシンボルとして指定するコスモスは、全国各地で景観植物として河川敷やスキー場などに植えられていることがあります。しかしこれには問題も多く、外来種であって土地を選ばずに生育するコスモスを自然環境に植えてしまうことで、ある種の自然破壊、生態系の錯乱を引き起こすというのです。池や湖の生態系を破壊するブルーギルやブラックバスの問題と似た問題をコスモスが孕んでいるのです。花の美しさからは想像もできませんが、生物学的、環境学的には問題であるとみなされることもあるのです。

その可愛らしい外見の通り、「乙女の愛情」や「乙女の真心」がコスモスの花ことばです。さらに薔薇などと同じように、花の色それぞれにも花ことばがあります。まず桃色(ピンク色)のコスモスには「少女の純潔」「少女の純真」という花ことばがあります。赤い花には「調和」、白いコスモスには「優美」「純潔」「美しい」といった花ことばが当てられます。

あまり日常的には用いませんが、「秩序と調和の現れとしての宇宙」という意味でコスモスという言葉が使われているのを目にしたことがあるでしょうか。あるいは芸術の評論などで「小宇宙」という言葉にコスモスの読みを当てるのを見たことがないでしょうか。実はコスモスという名前はギリシア語の「kosmos」に由来するのです。元来このギリシア語の「コスモス」には、秩序(order)、世界(world)、宇宙(universe)などの意味しかありませんでしたが、Neo-Latin、すなわちロマンス語になってから、今で言うコスモスの花を意味するようになったと言われています。古代の人々は、端正に整った形の美しいコスモスの花に、秩序を意味する名前をつけたのでしょうか。

花の名前、そして小宇宙と二つの意味を持つコスモスという言葉に着目した昭和の歌謡曲があります。1977年にさだまさしの作詞作曲により、山口百恵が「秋桜(コスモス)」というヒット曲をリリースしました。この曲は山口百恵の代表作の一つとも言える名曲で、現在までに中森明菜や平原綾香などさまざまなアーティストによってカバーされていることもあり、ご存知の方も多いのではないでしょうか。「うす紅の秋桜(コスモス)が、秋の日の何気ない陽だまりに揺れている……」という歌詞の曲です。あまり知られていませんが、実はこの「秋桜(コスモス)」のイントロを曲中に挿入した「コスモス(COSMOS/宇宙)」という別の曲が「秋桜(コスモス)」の翌年の1978年にリリースされているのです。この2つの曲こそ、まさにコスモスに二つの意味があることを踏まえた遊び心のある作品と言えます。

コスモスと電話占い

コスモス(宇宙)のイメージ

さて、それでは電話占いとの関係が深いのは花と小宇宙、どちらのコスモスなのでしょうか。もちろん電話占いに深く関わりを持つのは後者の小宇宙のコスモスです。花の名前のコスモスと占いを無理に関連づけようとしても、せいぜい花びらを1枚1枚摘み取りながら「好き・嫌い」や「来る・来ない」などを占ういわゆる「花びら占い」を挙げるのが限界でしょう。最初に「電話占いとコスモス(秋桜)の花」と題をつけましたが、本当は花のコスモスではなく、ここでは小宇宙の方のコスモスと電話占いにどのように関係があるのかについて考えてみたいと思います。

以前、「霊感占いとは」の記事で触れたように、最近の電話占いでは霊感占いと呼ばれる占術が人気を博しています。この霊感占いで占い師や霊能者が結論を導き出す情報源こそが、この小宇宙なのです。小宇宙とはマイクロ・コスモスと呼ばれることもありますが、宇宙すなわちコスモスの一部分でありながら、宇宙全体と同様のまとまりを見せるもののことを表します。つまり全宇宙の自己相似的な構造のことを言う言葉です。例えば宇宙に対して人間の思想などを小宇宙と表現することがあります。

霊能者が深く瞑想した際、占うべきことを見るのは占者の心のうちにある内なる小宇宙です。解釈の仕方は様々ですが、全人類の意識の集合体を全宇宙とし、それに対して占者の意識や存在を小宇宙になぞらえます。占者や電話占い会社、さらには時代や流行によってもその呼び方は異なるものの、科学では解明できていないいわゆる超能力・霊能力といった能力の本質がこの意識内の小宇宙(マイクロ・コスモス)であると言って差し支えありません。

このマイクロ・コスモスに問いかけ、現世では見ることのできない答えを導きだすのが霊感占いの本質であります。人々はこの能力を、アカシックレコードにアクセスすると表現したり、ハイヤーセルフと会話すると表現したり、霊視や霊能力、超能力などどのような呼び方をしても、結局は意識のコスモスを研ぎ澄ませて幽世から客観的に現世を見直すことで結論を導き出すわけです。つまり、電話占いで人気の占術である霊感占いの本質、それこそが意識のコスモス、内なるコスモスであるというわけです。電話占いとコスモスの関係についておわかりいただけたでしょうか。