電話占いとは

まず、電話占いとは電話回線を通じて占い師と会話し、対面式の占いと同じように一対一の鑑定をするサービスの総称です。占い師が個人の電話番号を公開するのではなく、受付のオペレーターが電話を取り次ぐことで、占い師の電話番号は非公開とする方式が主流となっています。個人が営む電話占いであっても、受付用の電話と占い鑑定を行う電話は異なることが多いようです。これは電話で占い鑑定を行っている間に、別の電話が入り精神を乱されることを避けるためです。また最近では、受付の電話が自動音声応答になっている電話占いもあり、プッシュ操作で占い師を指名したり、占い師のスケジュールを確認したり、クレジットカードで料金を支払ったりすることができる所も出てきました。

対面式の占いと同様、電話占いにおいてもその占術は多岐にわたります。同じ電話占いでも、占い師によって全く異なる占術を用いるような所がある一方、特定の占術をセールスポイントにした電話占いも存在します。ただ、電話占いでは客と占い師が直接対面するわけではないため、人相占いや手相占いなど、身体の一部を見たり触れたりする必要のある占術については、電話占いとの相性が悪いと言えましょう。テレビ電話やパソコンのカメラ付きのチャットなどを用いて、そのような占いを提供している電話占いもありますが、普及しているとは言えず極めて稀な存在です。

逆に電話占いで広く普及している占術といえば、霊感占いや霊視、水晶玉といった占い師の霊感に基づくものが多いのです。四柱推命や西洋占星術、姓名判断やタロットカードなどを中心とした電話占いもありますが、電話占いの利用料金が一般的に時間あたりの価格設定となっているためか、下火になりつつあります。例えば西洋占星術では、まず最初にホロスコープを作成することから始まりますが、ホロスコープを作成する準備時間にも刻一刻と料金が発生することが問題となることがあるのです。

対面式の占いと異なり、実際に顔を見られたり、話を盗み聞きされたりする心配が少ないのが電話占いの特徴です。そのため、とりわけ家族の問題や不倫などの男女間の問題といったデリケートな内容について、気兼ねなく相談できることが電話占いの人気の理由の一つです。周囲の目を気にして1人では占いに行きづらいという理由で男性が利用するケースも目立ちます。電話占いの最も大きな魅力は、特に地方に住む人にとって、地理的な制約を乗り越えて全国各地の著名な占い師の鑑定を受けることができることでしょう。

電話占いの類似サービス

比較のため、電話占いと類似した占いサービスについて触れておきます。まず、電話ではなくメールで鑑定を行う、メール鑑定やメール占いというサービスがあります。電話占いが時間単位の料金設定である一方、メール鑑定・メール占いでは1件の相談あたりの料金設定になっているのが一般的です。電話占いと比較すると安価ですが、特に相談者が長い説明的な文章を書くことに慣れていないと、自分の状況や問題を的確に占い師に伝えることができず、結果として満足できるレベルの鑑定に至れないことが多いようです。また、メールアドレスを登録しなければならないため、一部のメール占い業者を利用すると、迷惑メールが急に増えた、架空請求の被害にあった、というトラブルも存在するようですので注意が必要です。

また、パソコンやインターネットの普及に伴い、ホームページ上でチャットを行うチャット占いや、テレビ電話の仕組みを使った占い、スカイプ（skype）のような無料のインターネット電話を用いた占いなども少しずつ出てきました。しかしながら利用者がパソコンに詳しく、自宅などにパソコンと高速インターネットの設備がないとスムーズに利用できないこともあり、あまり普及していないのが事実です。古くからある電話占いも、将来的にはインターネットの普及によりこのようなサービスに置き換えられて行くのかもしれませんが、そうなるのは当分先のことだと思います。

いずれの類似したサービスも、電話占いと同様、遠方にいる占い師とコミュニケーションを取り、直接的に対面することなく占い師の占いや鑑定を受けることができる点に変わりはありません。総務省（旧郵政省）が発表している通信白書や通信利用動向調査などの統計データによれば、固定電話（NTT加入電話）の契約者数は携帯電話の普及に伴い1996年頃より減少してきており、また携帯電話においても音声通話よりもインターネット経由のウェブ閲覧や電子メールの利用が増加している傾向が明らかです。電話占いのサービスもこのような流れにより、別の形に進化していくのかもしれません。