電話占い依存症

まれに電話占いに依存する電話占い依存症という状態になる人がいるようですがその真相とは

電話占い依存症とは

占い依存症のイメージ

依存症とは端的に言えば「特定の行為を求める抑えがたい欲求が生じて、その欲求が満たされないと精神的・身体的に不快な症状を引き起こす状態」のことです。依存症という言葉を聞くと、アルコール依存症やニコチン依存症、薬物依存症、パチンコ依存症、ギャンブル依存症などの恐ろしいイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし世の中には数多くの依存症と呼ばれる症状があり、買い物依存症やセックス依存症、恋愛依存症、カフェイン依存症など、ありとあらゆるモノや行為などに対する依存症があるのです。

そのような様々な依存症の中には、あまり耳にする機会のない珍しい依存症もあります。例えば、甘い物を摂取し続けたくなる砂糖依存症であるとか、インターネットを通じてプレイするオンラインゲームを止められないオンラインゲーム依存症、携帯電話を使ったコミュニケーションに依存する携帯電話依存症などもあります。そして同じように電話占いに依存する人のことを電話占い依存症と呼ぶのです。ただし、電話占いに限らず、占い全般に依存する人を占い依存症と呼ぶことがありますので、電話占い依存症は占い依存症の一種であるとも言えます。

依存症という言葉が付いていても、これらの全ての依存症について精神医学の分野で研究が行われているわけではなく、多くの「~依存症」というものは「~マニア」や「~中毒」といった「何かに熱中している人」を意味する俗語に過ぎないことに注意して下さい。例えば「携帯電話依存症」や「オンラインゲーム依存症」「恋愛依存症」「占い依存症」といった言葉を、精神科の医師が診断結果の病名として明言したり、カルテに記載したりすることはありません。つまり、実際に生活に支障をきたし時には命にもかかわる「本物の病気の依存症」と、ただ深く熱中しているだけの「俗語の依存症」は全く別物なのです。アルコール依存症や薬物依存症、ニコチン依存症などは前者の「本物の病気の依存症」ですが、恋愛依存症や占い依存症などは「俗語の依存症」になります。パチンコ依存症などはその中間に位置しますが、最近では「本物の病気」と考えられるようになりつつあります。

もちろん「電話占い依存症」も俗語の依存症であって本当の病気ではありませんから、基本的には治さなければならないという類のものではありません。人は多かれ少なかれ何かに依存して心の平安を保つ傾向があります。ですから何かに依存したり熱中したりすること自体は問題ではなく、むしろ正常なことだと言えましょう。常に恋愛をしていたい恋愛依存症の人も、携帯電話を手放すことができない携帯電話依存症の人も、毎朝占いをチェックしなければ気がすまない占い依存症の人も、それらの依存症により直ちに問題が発生するわけでもありませんから、無理に我慢したり治そうとする必要はないのです。

しかし当然のことながら、物事に強く依存してしまい、日常生活に支障をきたす程度になると問題が生じてきます。例えば、占いへの依存が強くなり、運勢が悪いという理由で会社や学校を欠席するようになったり、家の間取りが風水学的に良くないという理由で引っ越しをしたり、占いをするための費用を消費者金融から借りるようになったり、仕事上の重要な判断を占いで決めるようになったりすると、さすがに問題だと言えるでしょう。冗談のように聞こえるかもしれませんが、稀ではあるものの実際にこのような状況に陥る方もいらっしゃるのです。逆にこのように生活に支障をきたす程度の依存がなければ、そのまま電話占いを利用し続けても何ら問題はないのです。

電話占い依存症のチェックポイント

電話占い依存症のイメージ

以上のように、電話占い依存症について考える場合に重要なポイントは2つです。

まず1つ目のポイントは、電話占い依存症というものは病気の依存症ではなく、俗語の依存症に過ぎないという点です。「依存症」という言葉から病気を連想しがちですが、電話占いに熱中してある程度の依存をすることに問題はありません。同じ依存症であっても、アルコール依存症や薬物依存症とは似て非なるものであることに注意して下さい。

そして2つ目のポイントは、いくら電話占いに依存することが問題ないとは言っても、日常生活に支障をきたすような強い依存は問題だという点です。実際にどの程度の依存であれば問題がなく、どの程度を超えると問題となるのかという点については、「電話占いによって日常生活に支障が出ているか」で判断します。具体的には、次に挙げるような項目に当てはまる場合には、日常生活に支障をきたしていると考えられますから、電話占いの利用を控えて依存を軽くする必要があります。

  • 電話占いの鑑定結果によって、日常生活で必要な行動(通勤・通学・食事・通院など)を中止したり延期したりすることがある。
  • 電話占いの鑑定結果に従うためだけに、高価な物品(車・家・仏壇など)を購入したり買い換えたりすることがある。(生活に必要な高価な買い物をする際に、占いの結果を参考にするのは問題ありません)
  • 電話占いを利用する費用を捻出するために借金をすることがある。
  • 重要な事柄(結婚、就職、転居など)を決定する際に、自分の考えや希望を持たずに電話占いの結果に100%従うことがある。(判断に迷った時に、占いの結果を参考にするのは問題ありません)

これらの項目に当てはまらないようでしたら、あなたは「電話占い依存症」というよりは「電話占いが好きな人」といった方が適切です。冗談交じりに「電話占い依存症」だと言うことがあったとしても、本当の病気ではありませんし、もちろん治療も不要です。引き続き電話占いを利用しても何ら問題はないと言えます。